6) 分離膜・水処理材料

高分子を利用した水処理膜は、安全な飲料水の確保が世界的に深刻な問題となっている現代において必要不可欠な技術であり、より高効率に海水淡水化や有害物の除去を行うための新たな膜材料が求められている。 我々は、サブナノ〜ナノメートルレベルの制御された孔径と官能基を持つナノチャネル構造を自己組織的に形成する液晶を活用して、新たな分離膜、水処理膜を開発することを考えた。

これまでに、扇型アンモニウム塩が自己組織的に形成する双連続キュービック構造の三次元イオンチャンネルを重合によって固定化し、薄膜化することにより、水処理膜を作製した。膜特性を評価したところ、ナノろ過膜レベルの水透過性、塩除去特性に加え、特異なイオン除去選択性や、高いウイルス除去能を示した。液晶構造を反映したイオンチャネル構造や欠陥の少ない緻密膜であることが、これらの特性に繋がっていると考えられる。
(本研究は東レ株式会社 辺見昌弘理事ら、東京大学工学部片山浩之准教授らとの共同研究である)






代表的関連文献

  1. Highly Efficient Virus Rejection with Self-Organized Membranes Based on a Crosslinked Bicontinuous Cubic Liquid Crystal
    N. Marets, D. Kuo, J. R. Torrey, T. Sakamoto, M. Henmi, H. Katayama and T. Kato
    Adv. Healthcare Mater., 6, 1700252(2017).
  2. Self-Organized Liquid-Crystalline Nanostructured Membranes for Water Treatment: Selective Permeation of Ions
    M. Henmi, K. Nakatsuji, T. Ichikawa, H. Tomioka, T. Sakamoto, M. Yoshio,T. Kato
    Adv. Mater ., 24, 2238 (2012).

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