クリックすると大きく表示されます A New Urea Gelator: Incorporation of Intra- and Intermolecular Hydrogen Bonding for Stable 1D Self-Assembly, Org. Biomol. Chem., 1, 3464 (2003).

 低分子ゲル化剤は、水素結合などの分子間相互作用を利用して溶媒中で繊維状分子集合体を形成し、溶媒をゲル化する。このようなゲル化剤分子の設計においては、自己組織化構造の制御が重要である。
 本研究では、水素結合アクセプタであるピリジン部位をビスウレア型ゲル化剤分子に導入することにより、優れたゲル形成能を示す新規低分子ゲル化剤の開発に成功した。単結晶X線構造解析やNMR測定により、この分子は、ピリジン部位を介した分子内水素結合と、ウレア部位間の分子間水素結合の協同効果が自己組織性ファイバーの形成や良好なゲル化能に寄与していることを明らかにした。