イオン性液体は、不揮発性・触媒活性・高イオン伝導性を示すイオンのみで構成された等方性の有機液体である。近年、反応・抽出のための溶媒や電池用の電解質としての利用が注目されている。
　本研究では、一般的なイオン性液体と分子末端に水酸基を導入した水素結合性液晶分子の２成分を集合させることにより、表紙図に示すような２次元的にナノ相分離した、異方的イオン伝導性液晶を形成させることに成功した。
　さらに、イオン伝導性の測定システムの開発と、集合体の均一配向制御により、この自己組織体が異方的二次元イオン伝導性を示すことを明らかにした。これは、明確な異方的イオン伝導性が示された初めてのイオン伝導性液晶である。